須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成24年3月号掲載
青森 雪 沖縄
 東日本大震災からまもなく1年になりますが、最近次のような新聞報道がありました。要旨を紹介します。

 沖縄の那覇市が子供たちに青森の雪を体験させてあげようという趣旨で、毎年行ってきた恒例のイベントを中止しました。
 イベントは今年で18回目。この時期に青森県の海上自衛隊八戸航空基地で訓練する沖縄の部隊が雪を持ち帰って行われていたものです。
 2月16日に約630キログラムの雪を運びこみ、那覇市内の基地の冷凍庫で保管していました。
 ところが、「青森から避難したのに、わざわざ持ちこまないで」「雪に含まれた放射能が溶けて空気中に拡散するのでは」といった電話が数本あり、2月20日には説明会も開いたが、「内部被ばくの不安がある」との声があり中止を決めました。

 以上ですが、自衛隊が放射線量を計測した結果、過去の平常時と同じ水準であり、降雪中のセシウム濃度を測定している青森県原子力安全対策課も「1カ月分の雪を溶かして濃縮しても問題ないレベル」ということです。

 私は、この報道を知った時「なんてバカな」と思いました。福島原発の近くから持ってきた雪ではないのです。これでは、青森県も福島原発の事故の影響をもろに受けていると言っているようなものです。
この人たちに言わせれば、福島に隣接する新潟の雪などもってのほかということになるでしょう。案の定、中止決定後29件の電話がありその9割が開催を求めるものだったそうです。

 私が最近感じることは、このように「ごく少数の変わった意見が、まかり通り過ぎる。」ということです。そこにあるのは協調、融和、絆とは真逆の「利己」のみです。
 もちろん少数意見も尊重されなければなりません。しかし、それは人間として正しい意見の時です。
 こうした事態には、強力なリーダーシップが求められます。これは政治の世界のみならず経営においても同じことが言えるのではないでしょうか。
 訳の分からないような意見がまかり通るような風潮は、一刻も早く解消しなければなりません。
  

  
                所長 須田幸英
 事務所通信3月号掲載
トップページへ 所長の一言トップページへ